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執筆者の写真ニラカナ堂 佐々木仁孝

沖縄の助けあいの心ーーゆいまーる精神

「ゆいまーる精神」や、「ちむぐるさーの心」について書くと

予告していましたので、

それらについて書こうと思います。


沖縄に住んで3つのエピソードがあり、

ぼくは永住を決めたのです。


今日は「エピソード1」について語ろうと思います。


沖縄に初めて降り立った日、

迎えに来るはずの友人が迎えに来ず、

途方に暮れていました。


沖縄の土地勘もないし、地図も持っていなかったからです。


そこで、

もう一人の友人にお願いし、

那覇から読谷村まで送ってもらうことにしました。


その友人の仕事が終わるのは19:00。

それまでどこかで時間をつぶしておけ、というのです。


空港に着いたのは昼過ぎ。

出来たばかりのゆいレールに乗って「首里城」へ行こうと思い立ちました。


しかし、駅を降りても、

首里城がどこにあるかもわからない。


下校途中の中学生の女の子二人組に声をかけました。

「首里城へ行くにはどうしたらいいのでしょう?」

と訊ねると非常に親切に教えてくれました。


そして去り際、


「楽しい旅行をしてくださいね」


と言われ、感動したことを覚えています。





実はその1週間前、

東京で道に迷っている男の子数名が

町内地図を見ながら目的地を探しているのを目にし、

親切心から、道を教えたことがありました。


その去り際、


「あのおじさん、ヘンじゃない?」


と背中に子どもたちの囁き声が聞こえたのです。


正直これには堪えました。



それだけに、

難しい年頃であるはずの女の子たちから、


「楽しい旅行をしてくださいね」


と言われたことは感動でした。



「沖縄すごいぜ!」

と思ったことはいうまでもありません。



沖縄には本来、

「ゆいまーる精神」といって、助けあいの心が脈打っています。


見も知らないおじさんに声をかけられるのは、

中学生の女の子にとって抵抗がなかったわけではないと思います。


旅行鞄をもってキョロキョロしているおじさんは

よほどかわいそうな存在に映ったのかもしれません。


しかし、どんな心境であったとしても、

結果的に助けてくれ、やさしい言葉をかけてくれたことは、

衝撃でした。


沖縄には何はなくとも、

こうした人的ソフト面が発達していると言えるでしょう。


沖縄の資源は「人」なのです。




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